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魔界へたどり着くと、レッドウィングスは決闘の場へ私をつれて行ってくれた。

そこには、すでに幾重にも人だかりができていた。

「止めて……あの人たちを。お願い……」

「……うん」

レッドウィングスにうなづき、人垣をかき分けた。

輪の中央ではラズルとオズマが血にまみれて闘っていた。

「……ラズル、オズマ……」

呼んでも、2人は気づかなかった。それほど、必死になって闘っていた。

「死んでしまうわ……あんな闘い方をしていたら……」

傍らにレッドウィングスが来ていた。

「…ねぇ、もしかして2人は、どちらかが死ぬまで闘うんじゃ…」

「そうね……」

レッドウィングスが応えて、私の肩を抱いた。

「でも2人の剣は互角……それに力も尽きてきてる……相打ちだってあるかもしれないわ……」

「そんな……いやっ!」

「やめさせて、なら……!」

私の声より、レッドウィングスはさらに大きな声で叫んだ。悲鳴に近かった。

私は弾かれるように、取り巻きの中から飛び出した。

 

 

カチーンという剣のかち合う音が響いた。

「ラズル……」

私は、振りかざされた剣を止めたラズルに声をかけた。

「ルキア…か」

顔を向けたラズルのこめかみを一筋の血がつたった。

「こんなことは……もう、やめて。ねぇ、オズマも……」

2人は、無言で首を横に振った。

「なぜ……そんなこと、無意味だわ!」

「無意味なんかじゃない……ルキア」

オズマが低い声で言った。

「私はこの闘いに決着をつけなければならない…」

「そんなことしたって、喜ばない誰も……あなたの愛してた人だって!」

「……私は、私のために闘っている、ルキア……」

2人には、私の願いを聞き入れてくれる気配すらもなかった。

前に2人が闘った時とは、明らかにちがう……私は、次の言葉を失った。

その矢先だった。

オズマの剣が、ラズルの腹部に深くつき刺さった。

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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