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「……あなたを、呼びにきたの……」
レッドウィングスが、いつにない穏やかなトーンで言う。
「……なぜ私を……」
声は穏やかだったが、私は少なからず以前のできごとを警戒していた。
「大丈夫……この間のようなことはないから」
と、レッドウィングスが微笑った。
前と、何かがちがう気がしていた。少しだけ伸びた髪のせいもあったかもしれない。レッドウィングスからは、かつてのようなきつさがなぜだか少しも感じられなかった。
「あの…レッドウィングス…ラズルは、どうしているの…もう、オズマと…」
不思議に思いながらもたずねた私に、レッドウィングスは「ええ…」と、あいかわらずおさえたトーンで応えた。
「決闘しているわ……もう半日になる……。2人はとても体力を消耗しているわ……あれじゃ、どちらが倒れてもおかしくない……」
「そう……」
また涙がにじんできた。その頬に、レッドウィングスがそっと冷たい手をあてた。
「泣いてるひまはないのよ、ルキア……。2人を助けたかったら、私といっしょに来て……」
レッドウィングスが私の手を握りしめた。
私はうなづき、彼女とともに飛び立った――。
「……レッドウィングス、でもなぜ私を呼びに来たの……」
飛びながらたずねると、彼女は私の方を振り返った。
「……私じゃ、だめなの……」
そう言って、彼女は少しだけ微笑った。
「……あなたじゃないと、彼は、助けられない……」
言うと、レッドウィングスは私の手を握る手にぎゅっと力を込めた。
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