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「うん…まぶしい……」

目もあけられない程の明るさから最初に目を覚ましたのは、レッドウィングスだった。

「起きて…ねぇ!」

ファントムとグレイを揺り起こす。

「うぅ…奴は?」ファントム・ウルフがうめいて目をあけ、「伯爵は、蘇ったのか?」と、グレイがあたりを見まわす。

「……わからない。なんだか、すごく静かで……」

静けさに気を許しうろうろと歩きまわるレッドウィングスを、

「油断するな…」

と、グレイが手を引いて止める。

「ああ…この静寂を警戒した方がいい…奴は、まだどこかに潜んで息を殺しているかもしれない…」

ファントムの言葉に、レッドウィングスが身を固くしてうなづいた時だった。

「……よけいな忠告を! その女を餌食にできたものを!」

デッドエンドがすぐそばの木の間からがさりと姿を現わした。

「やはり…いたのか!」

立ち上がろうとしてファントム・ウルフが流れる血に足をすべらせてひざをつく。

「……ふっ、他愛もない。その出血で大層な口をたたくな……」

「なんだと…!」

「よせ、ファントム…乗るな…それよりデッドエンド、伯爵はどうした? 生き返ったのか?」

「……聞きたいか?」

デッドエンドがにやりと顔を歪める。

「聞きたいね…」

グレイが暗いデッドエンドの双眸をにらみ返す。

「伯爵は…………」

言葉を切り、デッドエンドが大鎌をぶん…と振り払った。

「そこだっ…!」

切られた幹が音をたてて崩れると、降りしきる葉の中に佇んでドラキュラ伯爵がいた。

「伯爵……」

生き返ってしまったのかと、呆然とドラキュラ伯爵を見つめるグレイに、

「久しいな…グレイ」

と、伯爵が口をひらいた。

「そこにいるのは、人狼族か……おぉ、レッドウィングスもいるのか? して……我が息子は?」

グレイとファントム・ウルフが口をつぐむ中、レッドウィングス言った。

「亡くなりました……」

「なんだと?」

伯爵が低い声で聞き返す。

「なぜだ! 我が息子は、なぜ死んだ! 殺されたのか!?」

声を荒げる伯爵に、「聞いてください……」と、レッドウィングスが告げる。

「……ブルーアイズは、私が殺しました……」

 

  

 

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