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「……ふっ、く…っはははははは! この身の封印を解く者がいるなど……!」

黒い影が現れたかと思うと、大鎌がさっと一文字に噴き上がった煙を引き裂いた。

「貴様……デスか!」

「そう…我が名は、デッドエンド…よく覚えておくがいい…」

黒い衣を目深にかぶり、大鎌をかついだデスがにやりと笑うと、奈落のように真っ暗な顔に目だけが金色に光った。

「……なんのために、目覚めた、貴様っ!」

「騒がしい奴だ……その魔術書を、もう一度よく読んでみるがいい。答えは、そこにある……貴様自身が、答えを見つけるがいい」

そう言葉を残すと、大鎌を振って風を切り、デッドエンドと名乗ったデスの姿は消え去った。

 

 

「……おまえ、この中の呪文をどれか口にしたのか」

ファントム・ウルフがたった今起こった出来事から覚めやらぬまま、呆然とたずねる。

「……呪文? ううん…私が口にしたのは、この最初の……」

レッドウィングスが表紙をひらいた最初の1頁目に書かれた言葉を指差す。

「これは……この魔術書は、誰のものだ……」

「ブルーアイズの……ねぇ、何か封印を解くようなことが? だってこれって……『ドラキュラ伯爵に捧ぐ』って、書いてあるだけで……」

「……ちがう……」

ファントム・ウルフが口にして首を横に振る。

「よく…見てみるがいい…そこになんとある……ドラキュラ伯爵の前に、字が読めるはずだ……”神祖”と」

「……神祖……ドラキュラ伯爵…って、まさか……」

「そうだ…これは、ブルーアイズにではない、先代のドラキュラ伯爵に捧げられたものだ」

「そんな……」

「……俺たちは、大変なものを蘇らせたのかもしれない……奴は、言葉の通りなら、先代のドラキュラ伯爵を生き返らせる気だ……」

「嘘……」

気が動転しているレッドウィングスの手を取り、「…猊下のところへ、お知らせに上がる」と、ファントム・ウルフは告げた。

 

  

 

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